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「慟哭の谷」へ  苫前町 三毛別訪問記 その1 [オホーツク暮らし]

 北海道は野生動物の宝庫で、少し町を離れれば様々な動物たちの姿を見ることができます。

 フクロウ、オジロワシなどの猛禽類や、キタキツネやエゾリス、ナキウサギなどの小動物たち。しかし、あまり遭遇したくない動物もいて、その代表格はなんといってもヒグマでしょう。

 基本的に雑食性な動物で、野生動物ゆえに人間との関わり合いを避けて生活しているヒグマですが、何かの拍子に人を食料として認識してしまう場合があり、それによって人間が襲われる、いわゆる獣害が発生する場合があります。

 大正年間に発生した開拓農家の住民が被害に遭った「石狩沼田幌新事件」や、昭和40年代に発生した大学のワンダーフォーゲル部に所属する学生が日高山脈を縦走する際に襲われた事件など、過去にいくつもの獣害事件がありましたが、日本史上最大といわれる獣害事件が「三毛別羆事件」です。

 この事件は、作家の吉村昭さんが「羆嵐」という小説を書き、その後ドラマ化もされたようで、三毛別の名前は知らなくても、ご存知の方もあるかもしれません。

 私は、この事件のことは詳しく知らなかったのですが、当時住んでいた町の図書館で偶然この小説を読み、続いて木村盛武さんが書いた事件のドキュメンタリーである 『慟哭の谷』を読んで、事件の凄まじさを知りました。

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 事件は1915年(大正4年)12月に起こり、地区の住民8名が犠牲(うち1名は事故後2ヵ月後に亡くなったため、7名が犠牲者だとするものもあります)となりました。
 人々を襲ったヒグマは、「穴持たず」と呼ばれる冬眠し損ねた個体で、それゆえに凶暴かつ食欲旺盛だったためにこのような事件になったようです。
 実に悲惨な事件でありましたが、その反面、不謹慎ながらその場所を訪れてみたいという気持ちにも駆られました。
 しかし、その場所はその当時住んでいた町からはあまりにも遠かったため、訪れることは叶いませんでした。

 札幌に転勤となり、書店に行くと「慟哭の谷」が文庫化されているのを見つけ、改めて読み直す機会があって、また現地を訪れる思いが高まりました。札幌から苫前まではさほど距離はありません。ちょうど苫前方面に行く別の用事もあったため、今回訪れてみることにしました。

 改めて地図を広げてその場所を探してみると、その場所は日本海沿岸から内陸に入った古丹別という集落からさらに20キロほど山に入ったところのようでした。
 三毛別(さんけべつ)という地名は確認できず、現在の地名は「三渓」となっていました。

 前夜に札幌を発って途中で仮眠し、古丹別に着いたのは午前7時ごろ。ここからその場所を目指します。

 途中には事件発生地への案内看板があり、道が間違っていないことを確認、さらに進むのですが、沿道には「ベアーロード」という可愛いクマのイラスト入りの看板が出ています。


 日本史上最大の獣害事件発生地への道がベアーロードとは洒落にもならない気がするのですが、この事件を観光資源のひとつにしようという町の考えなのかもしれません。

 67 ベアロード3.JPG

 むしろ、こちらの看板のほうが、それっぽい(笑)。

 68 ベアロード4.JPG
 道端には、案内看板が立っています。あと13キロ。

 66 ベアロード2.JPG

 あと、10キロ。

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 そして、あと5キロ…。

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 道は市街地を抜け、三毛別川(地名はなくなっていたが、川の名前として三毛別は残っていた)の上流に向かって走り、数軒の民家がある小さな集落を過ぎてゆきます。
 そして、あと2キロの看板。しかし、「ようこそ羆嵐へ」っていうのも、なんだかなあ(笑)。

 70 ベアロード6.JPG

 やがて、道は薄暗い森の中に入ってゆきました。途中の案内看板を最後に2キロは走っているはずですが、一向に次の看板が見えてきません。
 あるいは看板を見落として別の道に来てしまったのか…。不安がよぎるうち、道路の舗装はなくなり、砂利道の林道になってきました。

 やっぱり間違えたか!と思っていると、その先が急に開け、民家や大きなヒグマ(もちろん作り物)が見えてきました。

 72 現場.JPG
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